早漏症に対する市販薬として定番のお薬です。
トノスには局部の感覚を麻痺させる成分のアミノ安息香酸エチル、プロカイン塩酸塩、ジブカイン塩酸塩と男性ホルモンであるテストステロンが配合されています。
使用方法は簡単で、性行為の20分前にトノスを亀頭に塗りこむだけです。塗りこんで10~20分程度で感覚が麻痺してきますのでその後水で洗い流していざ行為です。
ペニスの感覚が麻痺することで早漏症を改善し、射精時間を延長させます。ただしあまり塗りこみすぎるとペニスが麻痺しすぎて感度が落ちてしまいますので最初は様子をみながら少なめの量で試してください。
またトノスには男性ホルモンであるテストステロンが配合されていますのでホルモン不足による精力減退、勃起障害、男性更年期障害などに対しても有効です。
切り傷やすり傷に使う市販薬のマキロンにも早漏症改善効果がある、という都市伝説のような話があります。実は以前発売されていたマキロンには「塩酸ジブカイン」という局所麻酔剤が配合されていました。
しかし現在発売されているマキロンにはそのような成分は含まれていないため早漏症に用いても効果はまったくありません。
また、同じような話で女性用のかゆみ止め市販薬であるフェミニーナ軟膏をペニスにつけると効果があるという説もあります。
確かにフェミニーナ軟膏には麻酔成分であるリドカインが含まれていますのでマキロンよりは効果があるかもしれませんが、同じリドカインであれば専用のリドカインスプレーやリドカインクリームを使用してください。
サプリメントはお薬ではなく健康食品ですので残念ながらこの成分を飲んだから早漏症が治る、といったものはありません。とはいえ薬ではなくサプリメントで早漏症を少しでも改善したい方のために、早漏症や精力増強に関連する成分をご紹介したいと思います。
亜鉛は牡蠣や豚レバーなどに多く含まれる必須ミネラルです。
欧米ではセックスミネラルと呼ばれ精力増強サプリメントとして非常に人気があります。
亜鉛を継続服用することで精子の量が増え、勃起力が強まり射精時の快感も増すといわれています。
また亜鉛には精神を安定させる作用もあり、脳が正常に機能するのを助けます。
早漏症は脳内の性的興奮のバランスが取れないことで起こりますので亜鉛は早漏症の方に最適なサプリメントのひとつです。
マカはアブラナ科の植物で南米のアンデス高地に植生しています。
マカには必須アミノ酸やミネラル、ビタミンが多く含まれ、非常に優れた栄養素が含まれています。
マカの滋養強壮作用は古来から有名で、持久力を向上させたり疲労回復を促進させたりと全身の体力回復をうながす作用があります。
持久力がないと勃起が維持できず射精のコントロールも難しくなってしまいますので、マカで体調を整え持久力をつけましょう
チョコレートガムやジュースに含まれていることがある成分なので耳にしたことがある人も多いと思います。
アマゾン川流域が原産地でカフェインやタンニンを多く含み、現地では昔から健康維持や疲労回復、ストレスの緩和に重宝されてきました。
マカと同様に優れた滋養強壮作用がありますので日々服用することで持久力の向上が期待できます。
漢方薬は西洋の薬のように症状に対して薬を使うのではなく体全体の免疫力や治癒力を高めることで病気を治療します。
個別の症状に対しての効果は少ないため即効性には欠けますが、そのぶん副作用も少ないという利点もあります。時間はかかるものの、漢方薬を飲み続けることで体に負担をかけずに男性機能全般を回復させることが可能です。
EDや早漏症などの男性の性機能の低下は漢方医学では腎臓の機能低下である「腎虚」の影響だと言われています。
腎臓は人間の生殖能力に関するものを貯蔵する場所と考えられているためです。
牛車腎気丸には地黄、桂皮、山薬など様々な生薬が配合されている漢方薬です。
もっとも効果的なのはED症状に対してですが、早漏症を含めた男性機能全般を改善させる作用があります。実際に行われた臨床研究ではED症状のみならず、早漏症状にも効果があったと報告されています。
また、慢性疲労や肩こり・腰のだるさ・冷えにも有効です。
漢方医学では体は健康体であっても、ストレスや精神疲労、うつ症状がある男性はEDや早漏症などの男性機能障害を起こしやすいと考えられています。
このような状態を「気滞」と呼びます。
柴胡加竜骨牡蠣湯に含まれる柴胡、竜骨、牡蠣などが不眠や不安、ストレスや精神疲労を軽減させ、男性機能改善をもたらします。
早漏症は脳内の興奮のバランスが取れないことで起こる心因性が多いですので精神の安定をもたらしてくれる柴胡加竜骨牡蠣湯は早漏症改善効果があると言われています。
早漏症の防止や克服にはお金をかけず行える早漏トレーニングがあります。
現在では早漏症の防止にはあまり効果がないといわれていますが、パートナーの協力さえ得られればすぐに始められますので試してみるのもいいでしょう。
スクイーズ法、セマンズ法、スタート&ストップ法が知られています。
自分一人で行う場合とパートナーと行う場合、性交しながら行う場合の3つがあります。
まずはいつも通りマスターベーションを始め、射精しそうになったときに亀頭の先(カリ首の部分)をギュっと抑えつけ射精しないようにします。
この動作を1回のマスターベーションにつき、何回か繰り返すことで射精までの時間が次第に伸びていきます。慣れてくるとある程度コントロールが利くようになっていきます。
やり方は一人で行う時と同じです。パートナーの女性に刺激してもらいましょう。手だけではなくオーラルセックスでも構いません。一人で行うよりもパートナーの女性に刺激された方がよりトレーニング効果があるといわれています。
最初はいつもの通りにペニスを刺激し、射精寸前で止め射精感をなくします。最低10回は繰り返してください。10回の回数をこなしたら、次は挿入せずに女性上位もしくは座位になって女性がペニスを持ち、外陰部にこすりつけます。
同じく射精しそうになったら止めてください。これを数回繰り返したのちに、騎乗位で挿入します。射精しそうになったらやめ、射精感をなくしてからまた再開しこれを繰り返します。数回繰り返したのちに射精しましょう。
セマンズ法は膣に挿入後、射精しそうになったら運動をやめて射精感をなくしその後再度運動を行う方法です。
女性器の挿入の前に最初は手の刺激で慣らしていきましょう。パートナーにペニスを手で刺激してもらって、射精直前に手を放してもらい射精しないようにします。これを4~5回ほど繰り返し我慢したのち、最後に射精します。
うまく我慢できるようになったら、今度はローションやオイルを付けてまた手で刺激してもらいましょう。
パートナーにペニスを手で刺激してもらい、射精直前になったら手を放してもらい射精しないようにします。
ローションをつけ手で刺激されても我慢ができるようになったら、次はオーラルセックス、素股でも試してみてください。
いずれのやり方でも我慢できるようになったら次はいよいよ女性器への挿入に移ります。女性が上位の騎乗位の態勢で挿入し、女性に動いてもらい、ペニスを刺激します。
射精感が出てきたら中断し射精感をなくし射精しないようにします。これを繰り返していくことで、徐々に射精までの時間が長くなり、早漏を改善していくことができるのです。騎乗位で問題なければ側位、正常位でも試してみましょう。
トレーニング治療はパートナーの同意が得られる場合は費用もかかりませんのでお薬に比べて試しやすい方法です。
スタート&ストップの名前の通り、マスターベーションを行い、その際に射精しそうになったら手の動きを止め、射精感がなくなったらマスターベーションを再開します。
これを繰り返すことで射精までの時間を引き延ばすもっとも有名で古典的な方法です。
手軽に始められる早漏症治療としてリドカインスプレーや早漏防止コンドームなどがあります。またプリリジーほどではありませんが市販薬にも早漏症に効果があるお薬があります。
リドスプレー、プロコニルスプレーとして知られています。
リドカインは世界でもっともポピュラーな局所麻酔薬です。早漏症に用いるリドカインはスプレータイプやクリームタイプが多くペニスに噴きかけたり塗ることでペニスへの刺激の感覚を低下させ、早漏症に対して効果を発揮します。
塗ってから10分程度で効果が見られ、1時間程度は効果が持続します。
プリリジーほどの早漏症改善効果はありませんが、価格も安価で気軽に始められるので試してみる価値はあるでしょう。
リドスプレーを使用することで自身の快楽度は低下しますが、パートナーを満足させることができるでしょう。
臭いも味もしませんのでリドカインを使用してもパートナーにバレることはありませんが、ペニスにつけた後は洗い流すか、コンドームを装着しないとパートナーにもリドカインが吸収されてしまいます。
水で洗い流しても効果に違いは出ませんので安心してください。
従来はゴムを厚くさせたものが早漏防止コンドームとして発売されていましたが、近年では局所麻酔薬のベンゾカインがゴムの男性器側に塗りこまれた新しいタイプのものが発売されています。
用法は通常のコンドームとまったく同じです。ベンゾカインが性行為中の感度を抑えて早漏症防止効果を発揮します。早漏防止コンドームは価格も安価で気軽に始められるので試してみる価値はあるでしょう。
コンドーム装着後、すぐに効果を実感する場合もありますが、感覚が麻痺するまでに少し時間がかかる方もいるので万全を期すならば装着後5~10分程度は様子を見て激しい動きは避けるようにしましょう。
パートナーにバレることはありませんが、オーラルセックス時はペニスに付いたベンゾカインを洗い流して取り除く必要があります。
仮性包茎で早漏症の方は包茎手術で早漏症が改善するという説があります。
包茎だと亀頭が皮に覆われているため、刺激に敏感なので早漏症になりやすいとされています。
手術で包茎を治せば早漏症も改善する、というのがその理由です。また、仮性包茎は包皮が余っているので性行為時に包皮が上下しやすくペニスへの刺激が強くなることが早漏症の原因のひとつともされています。
しかし包茎手術によって早漏症が改善するという医学的な根拠は実はありません。むしろ多くの研究の結果、包茎手術には早漏症治療効果はないと結論付けられています。そもそも仮性包茎の方が必ず早漏症かというとそうではありません。むしろ包茎手術を行って亀頭が露出するといままでよりもダイレクトに刺激を受けやすくなったことでかえって早漏症が悪化したケースすらあるのです。
包茎を治しても亀頭が刺激に強くならなければ高い費用を払って手術をしても早漏症は改善しないのです。
亀頭にヒアルロン酸やコラーゲンなどの成分を注射し、亀頭増大効果によってペニスの感度を落とすことで、早漏症が改善するという治療法です。
確かに理屈から考えると注射で亀頭の皮膚が厚くなれば感度は落ちるでしょう。
ただしヒアルロン酸やコラーゲンは時間とともに体内に吸収されてしまうため、これらの注射の効果は永久に続くわけではなく、半年程度で消失します。また1回の注射にかかる費用は数十万円です。半年おきにこれらの注射を繰り返し行うことは金銭的にも肉体的に大きな負担です。
コラーゲンなどの体に吸収される成分ではなく、アクアミドなどの体に吸収されない成分を亀頭に注射するやり方もあります。
アクアミドは水とポリアクリルアマイドという成分でできている非吸収性ジェルです。
ポリアクリルアマイドはヒアルロン酸やコラーゲンと違い体内に吸収されない成分で繰り返し注射する必要がありませんので、注入した部位に半永久的に残ります。
しかしアクアミドを注射する深さを誤ると皮膚が硬くなったり、皮膚が壊死したりする副作用が起こる可能性があります。またアクアミドは発ガン性があるという報告もあり、アメリカのFDA(日本の厚生労働省に相当する機関)はアクアミドを認可していません。
効果が半永久的だからといって安易にアクアミドを注射することは避けるべきでしょう。
陰茎背部神経遮断術とは、ペニスの陰茎背部神経の一部を切除することで早漏症を改善させる手術です。
現在この手術方法は日本では行われておらず、希望する方は韓国で手術を受けることになります。
包茎手術時に陰茎背部神経遮断術を合わせて行った人と包茎手術のみ行った人とで手術後の挿入時間の長さを比べてみたところ、陰茎背部神経遮断術を併用した人は持続時間が約3倍延びたのに対して、包茎手術のみ行った人は変わらなかったという研究もあるようです。
この結果だけみると包茎手術より陰茎背部神経遮断術は効果があるように思えますが、ペニスの感覚がなくなってしまったり、陰茎に軽い刺激や接触を起こしただけで激痛を生じる「複合性局所疼痛症候群」という後遺症を起こす可能性があったりと合併症も多い手術です。
泌尿器科の学会でもこの手術は早漏症に効果があるという証拠がなく、性的な機能が失われる可能性があるので推奨されていない手術です。
このように手術による早漏症治療は高額な費用にも関わらず、安全性とその効果が医学的に確立されていない治療ばかりです。早漏症治療を行う場合は医学的な根拠があり、安全性が確立されたプリリジーによる内服治療を選択したほうが無難でしょう。
トラマールはトラマドールを主成分とする非オピオイド鎮痛剤と呼ばれるお薬で、癌の痛みや慢性の痛みなどの治療が困難な病気の痛みを和らげるお薬です。
現在早漏症治療の研究目的で投与される場合があります。
しかしトラマールが早漏症に効果があった場合でも現在早漏症に対しては処方の適応はありません。
トラマールを早漏症の方に使用する場合はユリーフなどと同様に「適応外使用」といって本来の使用目的ではないことを理解した上で最終的には自己責任で服用することになりますが、ユリーフなどと同じく実際に処方されるケースはまれでしょう。
2012年、中国でパキシルとトラマールの早漏症改善効果を検討した研究があり、トラマールの服用で射精までの時間が3分延びたと報告されています。
これはSSRIであるパキシルと同程度の早漏症改善効果だったそうです。ただしこの研究の基準を満たしていた人はたったの7例でした。研究の人数があまりに少なすぎてその効果はなんとも言えませんね。
また、副作用はパキシルよりもトラマールのほうが多かったそうです。
トラマールは同じ治療困難な痛みに対して使用される麻薬のモルヒネほどではありませんが、便秘や吐き気・嘔吐、眠気等の副作用があります。
吐き気は慣れてきますが改善するまでに少し時間がかかることが多いようです。
また、トラマールには依存性がありますのでこの点も注意が必要です。トラマールとパキシルどちらかを選べ、と言われればパキシルのほうがまだ副作用が少ないぶん、いいのかも知れません。いずれにせよ、トラマールがプリリジーに取って変わる薬剤ではないことだけは確かなようです。
早漏症治療を専門としたクリニックでは必ず厚生労働省の承認のもとプリリジーの取り扱いをしています。
ユリーフ(シロドシン)やトラマール(トラマドール)は効果が少なく、副作用が強いため早漏症専門クリニックがこれらを処方することはありません。
安易な服用は危険ですので注意してください。
トラマールやユリーフなどのお薬を早漏症治療薬として処方される場合はその使用が「適応外使用」となるため、医薬品副作用救済制度(医薬品を適正に使用したにもかかわらず、その副作用により入院治療が必要になるほどの重篤な健康被害が生じた場合に、医療費や年金などの給付を行う公的な制度)の対象とならない可能性があります。
なにか問題が起きた場合でもご自身の責任となりますのでドクターと相談のうえで服用してください。
もしユリーフ、トラマールを早漏治療で服用し副作用や中毒となり、死ぬまで逆行性射精に悩まされたり、トラマール中毒になっても救済措置はありませんのでどうしても服用したい方はその点をきちんと理解して服用してください。
ユリーフはシロドシンを成分とするα遮断という分類の薬で、前立腺肥大症で尿が出にくい患者さんの症状を改善させるお薬です。
ユリーフは本来、泌尿器科で処方されるお薬ですが、一部報告で早漏症に効果があったとされており、現在早漏症治療の研究目的として投与される場合があります。
しかしユリーフが早漏症に効果があった場合でも現在早漏症に対しては処方の適応はありません。ユリーフを早漏症の方に使用する場合は「適応外使用」といって本来の使用目的ではないことを理解した上で最終的には自己責任で服用することになります。
また、ユリーフには特徴的な副作用として射精障害である逆行性射精を非常に高い頻度で起こすことが知られています。逆行性射精とは精液が体の外に排出されず膀胱内に逆流してしまう現象です。この現象は20~30代の男性がユリーフ服用した場合、ほぼ必ず起こることがお薬の市販後調査でわかっています。
副作用で逆行性射精を起こしても80%の方は自然に回復するそうですが、射精時にいわゆる「空打ち」の状態となるので子作り中の方は不妊の原因となる可能性もあります。
若い男性は決して飲まないようにしましょう。また、性行為の快楽度は射精する精液の量に比例すると言われていますので、早漏症が改善しても射精が「空打ち」になると性行為の満足度も低下してしまいます。
ED薬であるバイアグラ、レビトラ、シアリスいずれの薬剤でも併用は可能ですが、ED薬もユリーフもともに血圧を下げる作用がありますのでED薬と両方併用する場合には血圧低下に注意が必要となります。このようにユリーフは早漏症治療薬として使用するには問題が多いお薬ですので、実際早漏症の患者さんに処方されるケースは非常にまれです。
注)20~30歳代の方がユリーフを服用すると副作用の逆行性射精がほぼ必発するといわれています。絶対に服用しないでください。
早漏症治療を専門としたクリニックでは必ず厚生労働省の承認のもとプリリジーの取り扱いをしています。
ユリーフ(シロドシン)やトラマール(トラマドール)は効果が少なく、副作用が強いため早漏症専門クリニックがこれらを処方することはありません。
安易な服用は危険ですので注意してください。
トラマールやユリーフなどのお薬を早漏症治療薬として処方される場合はその使用が「適応外使用」となるため、医薬品副作用救済制度(医薬品を適正に使用したにもかかわらず、その副作用により入院治療が必要になるほどの重篤な健康被害が生じた場合に、医療費や年金などの給付を行う公的な制度)の対象とならない可能性があります。
なにか問題が起きた場合でもご自身の責任となりますのでドクターと相談のうえで服用してください。
もしユリーフ、トラマールを早漏治療で服用し副作用や中毒となり、死ぬまで逆行性射精に悩まされたり、トラマール中毒になっても救済措置はありませんのでどうしても服用したい方はその点をきちんと理解して服用してください。
パキシルはパロキセチンを主成分とするお薬で、うつ病・うつ状態、パニック障害、社会性不安障害に対して処方されます。
このように本来は早漏症のお薬ではありませんが、実はパキシルを飲むと射精時間が遅延する場合が多いことが以前から知られており、この作用を応用し早漏症治療薬として使用されています。
海外のデータでは、性行為の5時間前に服用すると射精までの時間が平均24秒であった人がパキシルの服用で34~90秒にまで改善したと報告されています。
この作用は4~6人に1人の割合で起こるといわれています。
このようにパキシルには医学的にも早漏症の改善効果が確かにあるようです。
しかしその早漏症改善効果はプリリジーの圧倒的な効果(持続時間を3~4倍に延長)と比べると正直かなり見劣りしてしまいます。
プリリジー発売以前は他にあまり有効なお薬がなかったこともあって処方するクリニックも多かったのですが、現在ではあまり処方されなくなってきているお薬です。
しかし一部の方に効果があるのも事実です。
プリリジーの効果は絶大ですが、1錠あたり2500~3000円前後とその値段は決して安いものではありません。
パキシルはプリリジーと比べて早漏症改善効果は劣りますが、専門クリニックだと1錠500~1000円前後で購入できますのでプリリジーを服用しても効果が見られなかったときには試してみるのもいいかもしれません。
プリリジーは、日本でもおなじみの会社であるジョンソン・エンド・ジョンソンの製薬部門、ヤンセン・シラグ社が開発した世界ではじめての飲む早漏症治療薬です。
ダポキセチンという成分が主成分で短時間作用型のSSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)という薬に分類されます。
SSRIを使用している患者さんの中に遅漏を訴える方が多いことがわかり、早漏症の治療薬としてプリリジーが開発されました。
世界60か国以上の国で認可され、数100万人の早漏症患者さんに使用されています。
すでにその効果や安全性は実証済みで、早漏症治療に革命を起こしたお薬です。
日本国内ではまだ認可を受けていませんが、2012年よりユナイテッドクリニックなど厚生労働省から輸入を許可された専門クリニックでは処方が可能となっています。
プリリジーは早漏症に特化して開発された専用のお薬です。性行為の1時間前に飲むことで挿入から射精までの時間を3~4倍延長します。また射精までの時間が延びると、パートナーの満足度も2倍になると言われています。
約6000人を対象にした海外の調査によると、プリリジーを性行為のときに服用することで、実に72%の方の射精時間が延長したと報告されています。パキシルなど他のSSRIと比べると射精時間の延長効果は非常に高いお薬です。
飲み薬で早漏症が治るというのはよく考えてみるとすごいことなのですが、プリリジーがどのようなメカニズムで効果を発揮するのかを患者さんがイメージすることはなかなか難しいですよね。
早漏症に対するプリリジーの働きをなるべくわかりやすく説明します。
射精は脳内でノルアドレナリンという緊張や不安などのストレスに反応する物質が増加し交感神経の働きが高まることによって起こります。同じく脳内物質であるセロトニンにはノルアドレナリンの働きを抑え、興奮した気持ちを鎮めて精神のバランスをとる作用があります。
プリリジーには脳内のセロトニンの濃度を高める作用があり、セロトニンの働きによってノルアドレナリンによる交感神経の働きを抑えます。つまりプリリジーにはノルアドレナリンによって過剰反応している脳をセロトニンを増やすことによって鎮め、精神を落ち着かせることで早漏症を防止する効果があるのです。
この効果はプリリジーを飲んでから3~5時間くらい持続します。
プリリジーは現在、有効成分が30mgのものと60mgのものと2つの種類があります。30mg錠を飲む場合は最初は1錠から飲み始めて、お薬の効果が不十分な場合は24時間以内であれば2錠まで服用しても大丈夫です。60mg錠を飲む場合には24時間以内で1錠までとしてください。
早漏症を治したいからといって決められた量以上に飲むと頭痛や吐き気、めまいなどの副作用が出るかもしれません。決して自己判断で飲む分量を変えないようにしましょう。
プリリジーは使い続けるうちにその効果が強まるお薬ですので、はじめて飲んだときに思ったより効果がないと感じた場合でもあきらめずに最低6回は試してみてください。
プリリジーは副作用も少なく安全性が高いお薬です。服用を続けることできっと効果が実感できるはずです。
また、早漏症(PE)と勃起不全(ED)は密接に関係しています。実はED患者の3分の1は早漏症を合併していると言われています。
現在日本の潜在的なED患者数は1130万人と言われていますので、約400万人がEDと早漏症の合併に悩んでいるという計算になります。
EDと早漏症を合併している場合はED症状が出るようになってから持続時間も短くなった、という方が多いようです。
EDになってペニスの硬さが不足すると感度が上がり、そうなると持続時間が短くなります。またEDでペニスの硬さが維持できなくなると、硬さを維持しようと強い刺激を求めて性行為時に激しく運動し過ぎるため早漏症となります。このような背景があるため、EDの方に早漏症が合併しやすいのです。
ED治療薬のバイアグラ、レビトラ、シアリスには副次的な作用として早漏症改善効果があることが知られています。
特にレビトラは3剤の中でもっとも早漏症改善効果が高いとされています。
しかしレビトラの早漏症に対する研究はデータも少なく、またその結果もばらつきが多いため、確実な効果が見込めるものではありません。
レビトラの早漏症改善効果はあくまで2次的な作用と考えたほうがよいでしょう。
早漏症状のみでED症状がない場合にはプリリジーのみの服用で効果が期待できます。
しかしEDと早漏症を合併しているケースではプリリジーのみ、あるいはレビトラなどのED治療薬のみといった治療では中途半端な状態となり十分な改善が見られないケースが多いようです。
ED治療薬とプリリジーはその作用機序が異なるため、併用することが可能です。また、ED治療薬とプリリジー併用することで持続時間の更なる延長効果が期待できます。
ED・早漏症の両方で悩んでいる方はED治療薬、特にレビトラとプリリジーの併用がお勧めです。ただし服用方法には違いがあります。プリリジーはレビトラと違って食事の影響は受けませんが、服用してから効果を発揮するまでに1~2時間程度かかりますので早めの服用が必要です。
それに対してレビトラは10~30分程度で効果を発揮する即効性がウリのお薬です。しかしバイアグラほどではありませんが食事の影響を受けますので食事のタイミングには注意し服用してください。
早漏症の方の多くは心因性といわれており、脳内物質のセロトニンが不足することで起こります。そのため、早漏症治療にはセロトニン不足を解消させることが大事になってきます。
2009年にセロトニン不足を解消することで早漏症を改善させる飲み薬、プリリジー(ダポキセチン)が発売されました。プリリジーは世界ではじめての内服の早漏症治療薬です。プリリジーの登場で早漏症は内服治療が主流の時代となっています。
プリリジーが登場する以前の早漏症治療はカウンセリングやリドカインなどの局部麻酔薬が治療に用いられていました。
早漏症は心理的な要因がその発症に大きく関わっています。
心理療法士と問題点を明らかにしストレス、不安などを解消していくのがカウンセリング療法ですが、心理療法のみで早漏症を改善するのは容易ではありません。
リドカインなどの局部麻酔薬は早漏症治療においては古典的な方法です。
ペニスに麻酔を塗りこむことでその感覚を一時的に麻痺させ、射精までの時間を稼ぐというやり方です。
手軽な方法なのではじめやすい治療ですがペニスの感覚が麻痺してしまうため、効果があった場合でも性的な快感も落ちてしまうことが問題でした。
また、仮性包茎で早漏症の方は包茎手術によって早漏症が改善するという説があり、最近でも早漏症治療目的で手術を推奨勧められるケースがありますが、実は包茎手術で早漏症が改善するという医学的な根拠はありません。
むしろ多くの研究の結果、包茎手術には早漏症治療効果はないと結論付けられています。
外科的な方法としてヒアルロン酸などの成分を亀頭に注射し、亀頭増大効果によって早漏症を改善させるという手術もありますが、早漏症治療目的で注入する場合、20~30万円程度費用がかかるのと6ヶ月~1年程度で効果が消失するのでその効果は永続的ではありません。
ED治療薬を服用して早漏症を改善させる方法も行われていました。
ED治療薬であるバイアグラ・レビトラ・シアリスには二次的な作用として早漏症改善効果があります。
特にレビトラにはバイアグラ・シアリスに比べて早漏症改善効果が強いとされています。確かにレビトラにはそのような作用があるのですが、ものすごく効いたという報告もあればあまり変わらなかったという報告もあり、個人差が大きいため確実な治療法ではありません。
うつ病などの治療に使用されるパキシルというお薬にも射精までの時間を延長する作用があります。
性行為の5時間前に服用することで34~90秒程度射精時間を延長させる事が研究で明らかになっています。しかしその効果の確率は4~6人に1人程度の割合でしかなく、レビトラと同様に確実な治療法ではありません。
このように確実な治療がなかった早漏症ですが、2009年、ダポキセチンを主成分とするプリリジーが開発されたことで状況は一変しました。
プリリジーを服用することで射精までの時間を3~4倍延長させることが可能で、射精までの時間が長くなるとパートナーの満足度も2倍になると報告されています。
また、副作用も少ないうえに局部麻酔のように感度が落ちることもありませんので安心して使用することができます。
プリリジーは現在世界60カ国以上で承認され、数百万人の患者さんに安定した効果を発揮しています。日本でもユナイテッドクリニックなど早漏症専門外来のあるクリニックが取り扱いをしています。