ED治療史上で最も知名度が高い「バイアグラ」。これまでバイアグラは、正しく使えば強力な味方となってくれるものの、値段が高いのがネックとされてきました。
しかしそのバイアグラも2014年に特許が失効。多数のメーカーからジェネリック品が出回るようになりました。これをきっかけに、ED治療薬はこれまでよりグッと身近になると言われています。バイアグラジェネリックについて詳しく解説していきます
ファイザー製薬が販売しているシルデナフィル(商品名『バイアグラ』)。
勃起不全治療薬として世界的に抜群の知名度を誇る商品ですが、値段が高いのもまた事実です。
医薬品の世界では、ひとつの新薬を開発するのに一般的には数百億円、場合によっては一千億円かかることもあると言われています。開発にかかる年月も10~20年とかなり長期です。
したがって新薬を開発したメーカーは、販売が承認されたらしばらくはその投資分を回収するため「特許期間」が設けられています。そして約20年後、その特許が切れると他の製薬会社も先発品と同じような効果を持つ薬を作って販売できるようになります。これがいわゆるジェネリック医薬品です。
新薬を開発するのと比べて格段に安いコストで作れるため、販売価格も先発薬より20~40%ほど安価になるのが一般的です。
1999年にファイザー製薬が製造承認を受けた「バイアグラ」は、シルデナフィルとしての特許が2013年に、バイアグラとしての特許が2014年に切れたため、各製薬メーカーが一斉にジェネリック品の開発・販売に乗り出しました。
初のジェネリック販売薬となったのは東和薬品の「シルデナフィルOD錠『トーワ』」で、2014年5月に登場。現在10社あまりからバイアグラジェネリックが販売されています。発表順にメーカー、用量、特徴をあげてみましょう。
① シルデナフィル錠OD錠50mgVI「トーワ」
② シルデナフィル錠50㎎VI「YD」
③ シルデナフィル錠50㎎VI「あすか」
④ シルデナフィル錠50㎎VI「キッセイ」(25mgもあり)
⑤ シルデナフィル錠50㎎VI「FCI」(25mgもあり)」
⑥ シルデナフィル錠50㎎VI「DK」(25mgもあり)
⑦ シルデナフィル錠50㎎VI「FCI」(25mgもあり)」
⑧ シルデナフィル錠50㎎VI「TCK」(25mgもあり)
⑨ シルデナフィル錠50㎎VI「SN」
⑩ シルデナフィル錠50㎎VI「テバ」(25mgもあり)
もう1社製造認可を受けている会社がありますが、販売未定のため省略します
バイアグラは勃起不全治療薬の先発薬であることから、1錠あたりの単価は高めでした。とはいえ、基本的にED治療薬には国で定められた基準料金存在しないため、県や地域、病院、ネットショップなどによって販売価格は異なります。
一つの目安として、東京での1錠あたりの平均価格を調査してみると、バイアグラ25mgで1200円前後、50mgで1300円前後。全国的に見れば25mgで1300円、50mgで1500円というから、東京ではほかの地域より比較的安価で入手可能ということになります。
さて、一方注目のバイアグラジェネリック。こちらはどのメーカーのジェネリックかにもよりますが、1錠あたり25㎎で430~1100円前後、50㎎で860~1300円前後が相場になると言われています。先発薬バイアグラと比べるとかなり安価です。けれど、あまりに安いとその安全性や効能に問題はないかという心配が出てきます。
上記に挙げたジェネリックは、いずれもバイアグラと同成分を同量配合してあるため薬の効果としての違いはほとんどありません。薬を成型したり色を付けたりする過程で使用される添加物の違いなどはあっても、基本的な効能は同じです。ここで気を付けなければいけないのは、当然ながら副作用も同じように表れるということです。
バイアグラには、顔がほてる、頭痛、動悸などの副作用がある。狭心症などで使用されるニトログリセリンなどの硝酸剤を服用している人にとっては併用禁忌薬だ。万が一のことを防ぐためにも、ジェネリックを求めようとするときは医師の診察を受け、処方箋を書いてもらった上で服用するべきです。
ED治療薬として最も知名度の高いバイアグラには、10種を超えるジェネリックが存在しますが、他の治療薬はどうでしょう。
まずバイアグラと特徴が比較的似ているレビトラ(成分名:バルデナフィル)。
2015年6月現在で、残念ながら日本国内で認可されたものはありません。2004年の発売開始からまだ20年を経ておらず、開発元のバイエル製薬の特許が切れていないからです。同様に、2007年販売が開始され、近年ED治療薬市場の一番手に躍り出たシアリス(成分名:タダラフィル)も正規のジェネリック品はまだありません。
市場に出回っているこれらのジェネリックと言われるものは、海外で製造されたものを指し、主に個人輸入により入手することになる。その国において認可された正しい薬であれば良いのですが、中には精巧な偽物も多く存在します。
日本国内では認可されていない成分が含まれていたり、まったく違う成分の薬をED治療薬のジェネリックとして販売していることもあるため注意が必要です。特にED治療薬においては禁忌とされる病気や併用薬があるため、素人判断で服用すると命に関わることもあります。可能な限り治療薬は専門医で処方を受けたものを服用するようにしてください。
ED治療薬には、ピンからキリまであります。命の危険を冒してまで“キリ”を選ぶことは絶対におすすめできません。安全に正しく服用したいと思うなら、バイアグラ、レビトラ、シアリスといった開発メーカーの純正品を使用するのが一番。しかし10錠で1万5000円程度になる純正品は、手が出しにくく続けにくいことを考慮すると、品質も安全性も純正品となんら遜色のないバイアグラジェネリックがおすすめということになります。
患者にとってのメリットも考慮して処方してくれるクリニックを選び、適切なED治療を続け、男として張りと自信のみなぎる毎日を取り戻しましょう。