日本における知名度はまだまだ低いのですが、世界シェアはNo.1の実力者。バイアグラ、レビトラの弱点を改善した薬として売り出されているのがシアリスです。
効果の持続力、副作用の発現、食事・アルコールの影響度、性行為への取り組みやすさ、どれをとっても申し分ないと言われています。知名度や即効性をそれほど重視しないのであれば、シアリスを選択肢に入れない手はありません。ED治療における「次世代薬」という位置づけです。
国内では3番目に承認されたED治療薬。バイアグラやレビトラのデメリットを改善するというコンセプトで作られた医薬品という点が、他2薬と決定的に違います。
分類的にはバイアグラ、レビトラと同じPDE-5阻害剤に該当しますが、効き目が長時間続く、食事やアルコールの影響を受けにくいといった特徴があり、「次世代のED治療薬」とも呼ばれています。
主成分はタダラフィル。これは「肺動脈性肺高血圧症」や「前立腺肥大症」に用いられる薬にも含まれる成分です。
2003年にアメリカのイーライリリー社によって開発され、2007年に日本国内でも発売開始。当初は日本イーライリリー社から発売されていましたが、2009年から日本新薬が販売を受託。
日本における正規品の表示では、製造がイーライリリー、販売が日本新薬と記載されています。その安全性や効果については、臨床試験を約1100人について行い、ED患者の88%で改善が認められたという報告がされています。
発売以来、世界116か国で承認され、1000万人以上の患者が使用しています。2013年には、ED治療薬世界シェアNo.1に躍り出ました。
日本での知名度はバイアグラの方が圧倒的に強いのですが、今後はシェアが逆転する日も近いかもしれないとも言われています。
服用後、効果の発現までにかかる時間が30分~4時間と、とても個人差が大きいのが特徴です。平均して約3時間後にピークを迎え、10㎎では20~24時間、20㎎では30~36時間と、服用量が増えるほど効果も持続します。
シアリス最大の特徴は、この驚異的なスタミナです。バイアグラが3~6時間、レビトラが5~10時間の効果なのに対し、シアリスはその3~10倍。よって、性交渉の直前にあわてて服用する必要はありませんし、また「●時までに終わらせなければ」とあせることもないため精神的プレッシャーも感じにくいでしょう。男女の機微は複雑です。いろんな駆け引きだってあるでしょうし、思惑通りに進むなんてめずらしいのだから、この持続時間はたくさんの人にとって喜ばしいこと。海外では、金曜の夜に仕込み日曜までいけるところから「ウイークエンド・ピル」という”称号”まで与えられているそうです。と言うと、ものすごい効き目を想像するかもしれないが、その点は大丈夫。ちょろちょろと出る蛇口の水のように、じんわり穏やかな効果が続く。飲んで時間が経っているにも関わらず効果が持続していることから、まるで自分の力だけで勃起できたかのように思えるナチュラルさも魅力なのです。
通常は10㎎が処方されるが、副作用が少ないためか20㎎が出されるケースも多いのがシアリス。
また、バイアグラやレビトラと比べて食事・アルコールの影響を受けにくいといわれていますが、やはり空腹時に服用する方がベストです。
食事については「800kcalまで」という制限がついています。
飲み過ぎ、食べ過ぎの場合は効果が薄れるので注意してください。
ちなみに800kcal程度の外食メニューとは、吉野家の牛丼並盛(669kcal)、CoCo壱のポークカレー(755kcal)、マクドナルドのビッグマック(557kcal)など。ポテトS(247kcal)をプラスするともう800kcal越えになってしまいます。
どうしても服用前に食事する場合は、あっさりしたものを腹8分目、服薬の約2時間前までに終わらせておきましょう。
副作用の症状としては、ほぼバイアグラと同じです。
ED治療薬も似たような副作用が言われていますが、シアリスの場合は発言の頻度や症状の度合いが比較的軽いという特徴があります。副作用=薬が効いてきた証拠と思っていてもよいでしょう。
頭痛がひどい場合はロキソニンなどの頭痛薬を併せて飲んでも問題ありません。
ED治療薬には、併用すると命の危険を伴うものもあります。心疾患(狭心症、心筋梗塞、不整脈など)で医療機関にかかっている人は気を付けてください。ニトログリセリンやアミオダロン、硝酸剤などの処方薬が飲み合わせに良くないとされています。
他にも、慢性血栓塞栓性高血圧症にかかっている人も、シアリス服用前に主治医の診断を仰ぎましょう。
後発薬ではあるが、その人気の高さからシアリスも偽物が多数出回っています。医師の処方ではない、個人輸入や代行業者から入手するのは大変危険です。精巧な技術で製造されているため、見た目で見抜くことは難しく、健康被害の報告も多数寄せられています。
体質に合えば最も使いやすい薬です。効果の持続時間は、他2薬の追随を許さないほどすぐれています。また、食事やアルコールの影響を比較的受けにくいところも支持されている理由でしょう。
デメリット改善のために開発されたとあって、欠点もあまり見受けられません。しかし、ED治療薬の効き目は個人差が大きいもの。信頼できる医師の指示をあおぎながら、自分に一番合う薬を見つけていくのが最も良い方法です