コラム

ED治療と年齢 

2018.05.04

EDに年齢は関係ある?

ED(勃起不全)の原因には基本的に「心因性」、「器質性」、心因性と器質性が混ざった「混合性」、「薬剤性」があります。比較的若年層に多いのが心因性です。年齢とともに基礎疾患が増えてくると器質性になる方もいます。ED治療専門クリニックを受診される患者さんの年齢層は20代~80代と幅広く、一概に「年だから」や「若いのに」などと年齢に起因するものでもありません。EDはそれぞれの要因から関係づけられています。

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・心因性ED

過度のストレスや緊張によってEDになることを「心因性ED」と呼びます。
精神的なストレスがあると陰茎の神経に性的興奮が伝わらずEDが発症しやすくなります。仕事のストレスや夫婦関係、日常のストレスやたまたま1度性行為がうまくいかなかったことでトラウマに感じてしまったりプレッシャーとしてとらえてしまいEDになるケースもあります。「うまくできなかったら・・」のような不安から悪化する方もいます。特に夫婦間でのプレッシャーからEDが発症するのを最近では「妻だけED」と呼びます。

・器質性ED

高血圧や糖尿病など生活習慣病などの基礎疾患からEDになることを「器質性ED」と呼びます。
加齢からくるものだと特に動脈硬化が一因と考えられ、陰茎海綿体へ十分な血液が行き届かないことや血管が拡張しないことによりEDが発症します。糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病をお持ちの方は血管への負担が大きいので、EDになりやすい可能性があります。脳出血や脳腫瘍などの脳神経に関する病気、陰茎部の神経や血管を損傷することや手術でもEDになる可能性があります。また、喫煙や過度の飲酒もEDの原因として考えられます。すべての疾患において、病気を持っているからEDになるということではありません。

・混合性ED

現代では器質的なものからEDになり、ショックから心因性EDになる複雑に混ざり合った要因のEDを混合性EDと呼びます。
特に高血圧や糖尿病に精神的な要因が混ざっていることが多いです。

・薬剤によるED

一部の薬剤によりEDになることを薬剤性EDと呼びます。
中枢神経に作用する解熱剤や消炎鎮痛剤、精神安定剤、抗うつ剤、抗痙攣剤、抗精神病薬、睡眠薬を含む向精神薬。
末梢神経に作用する筋弛緩剤、鎮けい薬、局所麻酔薬、抗コリン剤。
循環器系に作用する不整脈治療薬、利尿剤、降圧剤、血管拡張剤、高脂血症溶剤。
消化管に作用する消化性潰瘍治療薬、麻酔薬、抗コリン剤、鎮けい薬。
これらはEDとの因果関係がはっきりとは解明されてないので、ED改善を意識されるのであれば中断が必要となります。しかしながら、ED治療薬と併用ができる薬もあるので専門の医師とご相談することをお勧めします。

EDは年を重ねるにつれて増える

年齢を重ねると器質性EDが増えるため確かにEDの有病率は増します。年齢によってEDになる確率は上がっていくのです。60歳台になると半数の男性がEDになります。

各年齢層とEDの有病率
年齢 EDの有病率
 40歳 20%以上
 50歳  40~50%
 60歳  60%
 70歳  70%

年を取るとEDになるとは限らない

上記の通り、EDには様々な原因があることがわかります。感覚的には加齢によって「性行為の回数が減少した」「硬度不足」などは年齢によるものだと思いがちです。あながち間違いではありませんが、やはりEDになる要因が増加してるからです。生活習慣病などの基礎疾患が代表的ですが、70歳でも80歳でも生活習慣病にもならず更年期にもならない人もいます。

EDはED治療薬の服用で80%以上の方に改善が見らえます。EDの治療をしないとEDが進行していくことも知られています。「もう年だから」や「この年だと恥ずかしい」などと思わず、ED治療をあきらめないことが大事です。

20代でもEDになる可能性

中高年のEDになる要因が生活習慣病や更年期などの傾向にあるのに対し、いたって健康的な20代がEDになる要因として精神的なことによる「心因性ED」が多いです。性に対する知識や経験不足が不安や緊張を引き起こし、「失敗」を深刻に受け止めすぎてEDになります。その他にも家や会社でのストレス、夫婦関係や上司と部下との人間関係等があります。
心因性EDは朝勃ちや性的興奮による勃起には問題がなく、いざパートナーを目の前にするとダメになるケースが特徴的です。こういった場合、何度かED治療薬を行為のたびに服用することで改善します。

心因性EDはED治療薬が非常に効果的であることが証明されていますので、ED治療薬を服用し機能を回復させること、原因を取り除くと治ると言われています。

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ED治療薬に年齢制限はある?

ED治療薬には年齢制限はありません。

未成年でなければ何歳からでも服用できます。一番歴史のあるED治療薬のバイアグラ(シルデナフィル)を例にとれば、早い人で20歳から利用してます。バイアグラを利用するのが多いのは30代ですし、80代で飲む方もいます。それぞれ個人に合った用量があるので、気なる方はまず医師に相談することをお勧めします。
よく勘違いされる方がいますが、ED治療薬全般的に興奮剤や誘淫剤の様な効果はありません。陰茎海綿体への血流を促すことで少ない刺激で勃起を助ける薬です。

ただし65歳以上の方はレビトラ20mg錠を服用することができません

ED治療薬は主にバイアグラ、レビトラ、シアリスの3つです。バイアグラとシアリスには年齢制限はありません。バイアグラは80歳であろうが、90歳であろうが服用することができます。但しレビトラの20mg錠だけは65歳以上の方は服用することができませんのでご注意ください。

ED治療薬の注意

バイアグラなどのED治療薬はED専門クリニックで処方してもらいましょう。

日本でもED治療薬がだいぶメジャーになってきました。イギリスではバイアグラが薬局で販売されるようになるそうです。手軽になったED治療薬ですが、薬ですので安易な服用は危険です。また、ネットでの口コミから「個人輸入」や「通販」で安易に購入される方もいます。こういった場合、しっかりとした流通経路を持っていない業者や悪質な業者による偽造品が多く、健康被害が起きる危険があります。
以上の事からED治療専門のクリニックで受診し、不安を取り除き医師の診断の元で治療することをお勧めします。