ED治療薬を服用したことがない人でも認知されているバイアグラは、現在様々な製薬会社・製薬メーカーからバイアグラジェネリック医薬品が製造・販売されています。今回は、バイアグラジェネリックであるシルデナフィル「テバ」についてご紹介していきます。
バイアグラとは
バイアグラは、アメリカに本社を置く世界大手製薬会社のファイザー社から1998年にED治療薬として世界で初めて販売された薬剤です。バイアグラの有効成分は、シルデナフィルといい、1990年に開発・研究され狭心症の治療薬として使用される予定でした。しかし、臨床試験を繰り返すごとに被験者からED(勃起不全)の症状が改善されたという声が多数あったため、ED治療薬として改めて研究されました。
現在バイアグラを製造・販売しているファイザー社の物質特許が2013年5月に満了し、用途特許も2014年5月に満了したため、多くの製薬会社からバイアグラジェネリックが販売しています。有名な大手製薬会社として、テバ製薬株式社や東和薬品株式会社などが挙げられます。
シルデナフィルの作用機序
勃起とは、大量の血液がペニスの海綿体内に広がることで大きく硬くなることで起こります。脳に性的な興奮を受け、神経が陰茎海綿体に伝わることで一酸化窒素が分泌されます。それにより勃起を促す物質である環状グアノシン一リン酸(cGMP)を形成します。cGMPには陰茎海綿体の筋肉や血管を緩ませることで大量の血液が流れ込ませる作用があります。結果、海綿体内に圧力が掛かることで勃起状態を維持します。
男性器は、射精や性的興奮がなくなるとcGMPを分解する酵素であるPDE-5(5型ホスホジエステラーゼ)が陰茎海綿体に広がり、勃起状態から元の状態に戻ります。成人男性は、加齢や精神的ストレス、生活習慣病などによって、cGMPが減っていきます。ED(勃起不全)の症状で悩んでいる方は、cGMPが減ることで相対的にPDE-5が多くなることで中折れや勃起不全の症状が起こります。
バイアグラの主成分であるシルデナフィルは、PDE-5阻害薬に分類されます。相対的に増えたPDE-5の働きをシルデナフィルが阻害することで、勃起を促すcGMPが必要以上の量を分解されなくなり、勃起状態を正常に機能させることができます。
ジェネリック医薬品とは
近年のTVでは、ジェネリック医薬品のCMがよく流れるようになり、多くの一般の方に理解されるようになりました。しかし、新薬と比べて安全性や効果・効能に関して疑問を持たれている方も時々いらっしゃいます。ジェネリック医薬品は、どのように製造されて販売までに至るのか、説明していきます。
ジェネリック医薬品は、新薬と同じ効き目、同じ有効成分で製造された薬剤のことを指します。まず、新薬(先発医薬品)の物質特許が満了してから、用途特許満了することで様々な製薬会社がジェネリック医薬品を製造・販売することが可能になります。ジェネリック医薬品を製造するにあたって、新薬と同じ有効成分、同じ効果・効能・用量が同一であり、新薬と同様の臨床効果や作用を得られなければジェネリック医薬品として認められません。新薬と比べジェネリック医薬品の価格が低く設定される理由としては、製造方法が確立されてため開発費を抑えることができ、ジェネリックと認定されれば効果も新薬で実証されているため、宣伝や広告費を抑えることが挙げられます。
ジェネリック医薬品は、新薬と有効成分と同じ効果・効能でなければ製造できませんが、新薬と異なっても可能な点があります。薬剤の形や色、味、添加物などは変更することができるため、新薬より薬剤をコンパクトにして飲みやすくしたり、薬剤の色を変えてED治療薬とバレずらくしたりなどすることができます。新薬よりも価格が低く、同じ効果・効能である上に新薬よりも工夫されているため、ジェネリック医薬品のほうが優れているところが多くあります。
シルデナフィル「テバ」
シルデナフィル「テバ」は、2014年8月に承認されて、2014年10月に販売が開始されたテバ製薬会社製のバイアグラジェネリック医薬品です。テバ製薬会社は、1901年に創業し、ジェネリック医薬品の分野において世界トップシェアを誇る世界大手製薬会社です。本社は、テバファーマスーティカル・インダストリーズ(Teva Pharmaceutical Industries Ltd.)といい、国内でテバ・ジャパンという武田テバファーマ、武田テバ薬品、テバエーピーアイ、テバファーマスーティカルの4つのグループ会社があります。
バイアグラは、青く特徴的なひし形の錠剤のため、ED治療薬を服用していることがパートナーの女性にバレてしまうのが難点です。しかし、シルデナフィル「テバ」は、丸く薄いピンク色をしており他の薬剤に見えるため、女性の前で堂々服用することができます。