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バルデナフィルについて

一般的なED治療薬といえばバイアグラ・レビトラ・シアリスの3種類ですが、今回紹介するバルデナフィル(Vardenafil)はドイツのバイエル社が製造・販売するレビトラの有効成分となります。

ED治療薬の効果

陰茎は性的刺激や興奮によりサイクリックGMP(cGMP)と呼ばれる酵素が陰茎内部にある海綿体平滑筋の緊張を緩めることで血流の流れを良くして、陰茎内に血液を充満させることで性器を固くさせた状態を勃起と呼びます。cGMPの濃度が高くなれば血流が流れやすくなりますが、ホスホジエステラージ5(PDE5)と呼ばれる酵素がcGMPを分解されてしまいます。すると勃起に十分なcGMPが分解され足りなくなるために勃起不全や中折れなどのEDの症状が出てしまいます。
ED治療薬はcGMPを分解するPDE5の働きを阻害することで、相対的にcGMPの濃度を高めることで自分が本来持っている勃起力を発揮させる効果あります。

ED治療薬は服用すると勃起を促すことは出来ますが、薬剤自体に性的興奮を助長させて勃起するといった効果はありません。勃起は性的刺激に反応して起こりますので、ED治療薬を飲んだからといって何も刺激を与えなければ勃起は起こりませんし、刺激がなくなれば元の状態に戻ります
また、「ED治療薬の効果発現中は常に勃起しているのでは?」と不安になられる患者もいらっしゃいますが、その様な事はありませんのでご安心ください。ただし、効果発現中は通常では勃起に至らない軽度な性的刺激であってもcGMPの分解が抑えられるために、勃起しやすい状態になっています。

レビトラ(バルデナフィル)の特徴

レビトラ(バルデナフィル)は世界で始めて販売されたバイアグラ(シルデナフィル)や3番目に発売されたシアリス(タダラフィル)のED治療薬とは違った様々な特徴があります。

効果発生時間

レビトラの有効成分バルデナフィルはバイアグラの有効成分シルデナフィルに比べて水に溶けやすい性質を持っています。これは体内に成分が吸収されやすいという性質ですので、レビトラはバイアグラに比べて効果発生時間に違いが出てきます。バイアグラは効果が出るまでに30分~1時間と服用後掛かりますが、レビトラは服用後10~30分で効果が表れ始めます。

効果持続時が長い

バイアグラの効果持続時間はシルデナフィル含有量50mgの錠剤だとおよそ4~5時間程度とされています。しかしレビトラはバルデナフィル20mgの錠剤ですと、個人差はございますが最大で8時間効果が持続するといったデータもございます。

食事の影響を受けにくい

バイアグラは食事の影響を多大に受けてしまうために、ED治療薬の効果を最大限に発揮するためには空腹時で服用する必要があります。レビトラの製造会社の説明では「標準的な食事では影響がない」とされていますので、個人差は当然あると思いますがさほど気になさらなくても構わないと思います。ただ、ED治療薬の効果を最大限になるのはレビトラも空腹時とされています。

またシアリス(タダラフィル)はより食事の影響を受けないとされています。メーカー発表では800kcalまでは平気だとされています。ビックマックがおよそ556Kcalだとされていますので、ほとんど食事に左右されないED治療薬です。

早漏の改善効果

勃起の硬さが不足することで感度が通常よりも増してしまい早漏の症状が出てしまう方がいらっしゃいます。ED治療薬を服用することで勃起時の硬さが増すために早漏に関しても改善効果があるとされています。レビトラはバイアグラやシアリスよりも比較して勃起時の硬さが出やすいため、より早漏改善効果が期待できます。
レビトラ単体での服用では早漏治療薬に比べると改善効果は低いですが、レビトラは早漏治療薬との相性がとても優れているため、併用することで高い相乗効果が期待できます。

バルデナフィルの副作用

バルデナフィル錠を服用すると下記のような副作用が出る場合がございます。

  • 顔のほてり
  • 目の充血
  • 頭痛
  • 動悸
  • 鼻づまり
  • 視野が青色調になる

これら副作用は他のED治療薬を服用しても表れる症状ですが、バルデナフィルはバイアグラなのに比べて症状の頻度や症状は控えめになっています。「顔のほてり」や「目の充血」などの症状は軽く表れることがほとんどで薬剤の効果持続時間が過ぎると自然と解消される場合がほとんどですので、これらの症状が出始めたらバルデナフィルが効き始めた合図だと思っていただくと良いでしょう。
また、「頭痛」がひどい場合には市販の「ロキソニン」等の頭痛薬とED治療薬は併用可能となっていますので、服用して頂いても構いません。

バルデナフィル服用できない方(併用禁忌)

バルデナフィルには併用できない薬剤が存在し、服用される方の健康状態や病歴によって服用出来ない方もいらっしゃいます。

併用禁忌薬として代表的な薬剤は硝酸剤やニトログリセリン系の薬剤です。これらは主に狭心症や心筋梗塞、慢性血栓塞栓高血圧で治療中の方が普段服用している薬剤です。バルデナフィルは元々血管拡張剤ですので、これらの薬剤と併用してしまうと血圧急速に低下し、健康被害が出る場合がある為に併用することは出来ません。
また、抗HIV薬、抗真菌薬(内服薬)、抗不整脈の一部の治療薬もバルデナフィルと併用することは出来ません。

バルデナフィルを服用できない方の代表例として人工透析を受けている患者様は服用が出来ません。ただし、人工透析を受けている患者でも他のED治療薬は服用できます。
他にもバルデナフィルを過去に服用しアレルギーを起こした事のある方や、最近6ヵ月以内に脳梗塞・脳出血・心筋梗塞の症状が出た方、不安定狭心症の方など様々ございます。

バルデナフィルなどのED治療薬は効果も安全性も確立されている薬剤ですが、判断を誤ると重大な健康被害が出る場合がございます。服用される際は専門の医療機関で医師の診察を受けて処方された薬剤を服用いたしましょう。診察の際に自分が服用している薬剤や、病気を治療中の際にはきちんと医師に相談することで、正しい知識を持った医者が最適な薬剤を処方してくれます。