ED治療薬を知ると様々な特徴によって使い勝手が異なることがわかります。その効果はもちろんですが、服用のタイミングも異なります。硬さを出し、なおかつ失敗しづらいED治療薬と言えば有効成分がシルデナフィル(Sildenafil)のバイアグラ(Viagra)やバイアグラのジェネリック医薬品が一番と言えます。なるべく早く効果を得たいのであればバルデナフィル(Vardenafil)やアバナフィル(Avanafil)を有効成分としたED治療薬が妥当だと考えられます。また、翌日でも飲み忘れがない様に早めに飲んで長い効果を得たいというのであればタダラフィル(Tadalafil)を有効成分にしたシアリス(Cialis)や、そのジェネリック医薬品が該当します。
今回は長時間作用型のシアリスのジェネリック医薬品である「ジマリス(Zimalis)」についてです。
ジマリスとは
イギリスはロンドンに拠点を置くジマー・ファーマ社(Zimmar Pharma Ltd.)によって製造販売されているのがジマリスです。ジマー・ファーマ社はジマリスの他にもシルデナフィルを有効成分としたバイアグラジェネリックの「シログラ(Silogra)」やバルデナフィルを有効成分としたレビトラ(Levitra)ジェネリックの「ジマトラ(Zimatra)」を製造販売しています。もちろん、こうしたED治療薬のジェネリック医薬品を取り扱うほどの製薬会社なのでED治療薬の他にもダイエット薬やAGA治療薬など幅広く手掛けています。
ジマー・ファーマ社の取り扱う医薬品の特徴として、製品のパッケージや表記において日本人向けに日本語表記されているため海外製品に抵抗感がある日本人には親しみやすいかもしれません。
タダラフィルの働き
ジマリスの有効成分であるタダラフィルはシアリスと同様に、体内で性的刺激によって勃起に対する伝達物質がcGMP(環状グアノシン一リン酸)に働きかけ、陰茎付近の血管などの平滑筋を弛緩させます。血管が弛緩することによって血液が流れやすくなり血流量が増加する「血管拡張」作用を促してくれます。
ED(勃起不全)の場合、cGMPを分解し勃起をおさめる作用を起こすPDE-5(ホスホジエステラーゼ5型)という酵素が過剰に分泌し活性化しているため、うまく勃起できない状態になっています。ここでタダラフィルはPDE-5の酵素活性を阻害しcGMPに血管拡張させるように促します。陰茎付近で血管拡張を起こし血流量が増加すると陰茎の「海綿体」への血流量増加にもつながり、海綿体へ次々に血液が充満することで陰茎海綿体が膨張していき内圧が上がる「勃起」の状態に至ります。
このことからもタダラフィルに限らずED治療薬はPDE-5阻害薬と呼ばれます。また、上記にもあるように作用の起点として勃起に至るには「性的アプローチ」が必要であるため、服用しただけでは勃起しないということがわかります。さらには、一度勃起したら勃起し続けるというわけではなく性的刺激がなくなったり射精をした後などは自然とおさまるようになっています。しかし効果時間内であれば、勃起がおさまった後でも再度性的興奮を感じればその都度勃起に至ります。
ジマリスの飲み方・服用方法
ジマリスはシアリスと同様に、空腹時に水かぬるま湯で1日1回1錠を服用すると1時間~2時間ほどで効果が発現します。個人差や体調にもよりますが効果の時間は30時間~36時間持続します。効果のピーク時間は服用から3時間~4時間になるため、性行為の予定があれば早めに用意しておくことをお勧めします。海外ではこうしたシアリスやタダラフィル製剤を長時間作用ということから金曜の夜に服用すれば日曜の朝まで持続する「ウィークエンドピル」などと親しみを込めて呼んでいます。
タダラフィルを有効成分としたED治療薬は「食事の影響を受けにくい」と日本国内でもある程度認識されている方もいますが、実際のところバイアグラやレビトラに比べてもその差は数%の違いでしかない為、食事の影響を全く受けないということではありません。また、影響を受けづらいからと言って食事をしていいわけでもありません。もし食事を挟む場合でも、食前食後は2時間以上開けて腹7分目や8分目などを目安に脂質のある食事を避けることがポイントです。
ジマリスの副作用
そもそもタダラフィルを有効成分のED治療薬はバイアグラなどに比べて効き目がマイルドなので副作用も穏やかだと言われていますが、全く副作用が出ないというわけではありません。これも個人差や体調によって異なりますが、ほてりや鼻づまり、消化不良や頭痛などが挙げられます。頭痛や胃の不快感に関してはロキソニンなどの鎮痛薬や胃腸薬が併用できるためお勧めです。
ジマリスを服用できない方
タダラフィル製剤で過敏症を起こしたことがある方、性行為自体が不適当だと医師に診断されたことがある方、6ヶ月以内に脳梗塞や脳出血の既往歴がある方、重度の肝障害や網膜色素変性症をお持ちの方、不整脈や不整脈、不安定性の狭心症など3ヶ月以内に心筋梗塞の既往歴がある方は服用できません。狭心症薬や肺高血圧症治療薬などの薬を服用中の方なども併用禁忌薬に該当するため服用できません。この他にも服用できない疾患や併用できない薬が存在しますので、自己判断で薬を購入して服用するのではなくED治療専門のクリニックや医療機関で医師と相談することをお勧めします。
ジマリスの購入
上記の通り禁忌とされる事項があるため個人での判断は大変危険です。さらには、インターネット通信販売や個人輸入代行業者を介してのED治療薬の購入で約6割も偽造品が混入していたことが調査で分かっているため、ネット通販での購入は健康被害を受ける可能性があることからも避けるべきです。ED治療薬の購入には、こちらでも紹介しているED治療専門のクリニックや医療機関で体調や症状など常用薬も踏まえて医師とよく相談し、適切な処方を受けることが安心で安全であると言えます。